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私の性格を全面改装した母の8秒の言葉

Jpg 私は15歳から、これまで兄弟喧嘩をしたことがありません。
ある時、というかある瞬間に性格が変わりました。

今も、攻撃的な短気な本質は、変わってないかもしれませんが
少なくても表出される行為、振る舞いは、
気長で穏やかな人柄ということになっています。

それまでの私は、とにかく短気で激情型でした。
というか、気短かで、すぐ怒り、その上、生意気で
こずるく、小賢しい、いやなガキでした。

すぐ上の、兄貴は、一番の遊び相手であり
語る相手でしたが、同時に15のその日まで
本当に取っ組み合い、殴り合いの喧嘩もしてました。

ほとんど全て95%が、私が、生意気で、口達者で
ずるくて意地悪なために起こる喧嘩でした。
例えば、テレビの傍に私がいるので
兄がテレビをつけてくれと言うことに対して
なんか素直に言うことを聞くのが
兄という権威に屈したようで素直になれない。

「なーに、自分で、つけたらいいじゃん。」
などと返答して、更なる申し出を、無視する。

そんなやつ、誰でもムカつきますよね。

ところが、ところが、中3のある冬の日
だったでしょうか。

やっぱり何かで、兄と言い争い喧嘩になったのです。
その一部始終を、隣の部屋で母が聞いていたようでした。
私が母の部屋を、通り過ぎようとした時でした。

私の名前を呼び、話しかけて来ました。

私は母に勉強しろとか、どうしろ、こうしろと
説教されたことも一度もありませんでした。

教育ママゴンとは、程遠いというか
まったく無関係、別の世界という感じで
国民高等小学校しか出ておらず
気の利いた小賢しいことは言いません。

それに、母にとっては、私は、たいへんな姉の看病も
手伝ってくれ、家のことも手伝ってくれる
気の利くしっかりした子で、勉強もだっまっててもする。


どっか我が子といえど、微妙に気を使う
なんかちょっと子ども扱いにもできない
へんな気遣いをさせる子供だったような気がします。

だから言いたくてもずっと
我慢していたんだと思います。

でも、私の理不尽なまでの我がままさに
兄に対する生意気さに、とうとう堪りかねたのだと
思います。

母は、兄には聞こえぬよう小さな声で言いました。

「ユウコウ。
 夜、疲れて眠むたいとごろ、学校さ行って
 昼間、働いて、給料ほとんど家さ出して、
 少しの小遣いから本だ、服だと、
 買ってけでんだから
 少し言うごと聞がねば。」

私は、母のこのコトバが、
しばらく理解できませんでした。
時間が止まったように
まるでスローモーションでことば、一文字一文字が
脳みそに入って来て、そして、ものすごいスピードで
その文字が解析されました。

根本的に自分で自分を完全に誤解した幻想の自分が
砂上の楼閣の大地に立っていることに
気づいたのです。

私は、ひどい人間である。
私は、自分を立派な人間だと
思っていたのです。
私は、いやな人間でした。

人の思いや愛情に感謝どころか
気づきもしない
傲慢で、不遜な人間でした。


それなのに私は、その対極の側の人間として
自分を捕らえていた愚かさに
恥ずかしさと情けなさで
まさに、穴があったら入りたいという思いで、
打ちのめされていました。

それは、思考とか、反省とか
のレベルではありませんでした。

母のその言葉の一文字一文字のその強烈な記号が脳の中に
入っていくごと、私は、体の60兆の細胞から
スーと力と、エネルギーが消えてゆき、
血の気が引いてくのを感じました。

私は、その母の話す数秒の間に
人生最初にして最大の自己嫌悪の
鳴門の渦に浮かぶ一枚の木の葉のようにくるくる回され
飲み込まれていく自分の身体を感じました。

私は、この母の数秒間の話を聞いてから後
一切、兄と喧嘩をしなくなりました。


それどころか、まったく全てに誰にも怒らなくなりました。
全てに気短で、イライラし、けんか腰になっていた自分が
その時から、怒らない、気長で穏やかな人間に

キャラが突然、変わったのです。

ですから弟は、その時、弟が小4か小5の時以来
一切、私が叩いたり怒ったりしなくなり
中学、高校の勉強においても、そして彼が画家になる時も
なってからも影に日向に
人生のさまざまの局面で
いつも励まし応援し、穏やかでやさしーく接して来た為
そういう楽しい八丈島の強烈な思い出のようないい記憶だけが
支配して、それ以前の、記憶がまったく消えてしまって
どんなに、私がぶん殴ったり、叩いたりしたと
力んで言っても、「そう自分で思い込んでるだけで
そんなことない!」と、本気で完全否定するのです。

その事実を記憶喪失した人のようにまったく
認めません。

Jpg_2 私を、まったく怒らない
カミサマか、ホトケサマのように
思っているんですね。

人間の記憶力、記憶のシステムとは、本当に怖いものです。

ホームページ「ナカムラユウコウの世界」http://www.nakamurayukoh.com/

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