« 雑誌「考える人」 | トップページ | 昨日も、今日も30度超えました。近所の道路設置温度計は34度でした! »

あじさいの季節、思い出す人

P1150527 どこもかしこも街中
通りはあじさいが
いっぱいだ。

あじさいと言えば
一昨年亡くなった
阿久悠を思い出す。

上村一夫という
希有の劇画作家
漫画家がいた。

関東平野という
彼の自叙伝的作品がある。

上村の同郷、大の親友が
阿久悠だった。

デザイン事務所の同僚
でもあった。

阿久悠は上村の絵の才能に
叶わぬと詩人になることを
決意する。

修業時代、一つのテーマで
一日にノルマとして
10の詩を書いたという。

劇画「関東平野」の中で
「あじさい」も
その一つのテーマに
取り上げられていた。

日本屈指の歌謡曲の
作詞家、阿久悠の修業時代だ。

上村の絵はいい。
線がいい。
削り取れるものは
すべて削りとり
潔く全責任を持って
描いている。

いいわけも、媚びもなく
その絵は、少女を描いても
場末の飲み屋の女を描いても
凛としている。

上村が描いたものに
「同棲時代」という
劇画がある。

そのラスト、
ヒロインの女性が体を壊し
サナトリウムのベットにいる。

男はベットの上に横たわる
彼女に別れ際、キスをする。

「薬でやられた彼女の
 吐く息は臭かった。」

このリアリティのある
臭い息を吐く彼女を
こんなにも
美しく切なく愛しく
描ける人間は
村一夫だけだろう。

Untitled

十代の後半の
若い私は
上村のこの場面から
男と女が恋し、
愛する切なさを学んだ。

|

« 雑誌「考える人」 | トップページ | 昨日も、今日も30度超えました。近所の道路設置温度計は34度でした! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: あじさいの季節、思い出す人:

« 雑誌「考える人」 | トップページ | 昨日も、今日も30度超えました。近所の道路設置温度計は34度でした! »