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「考えるな、思索するな、思考するな」

Img090_4 「一所懸命考えて
 決めました。」

と、若かった私は、あの時
訴えるようにコトバカフェの
マスターに言った。

まったくセンチな話だ。

ボクは一生懸命考えたんです。
一生懸命考えたんだから
賛成して下さいという
それは、きっとなんと
ウエットに満ちた
あまちゃんの訴えるような
眼差しだったろうか。

マスターは

(おまえは、どれほどのもん?
 おまえは、何様?
 おまえほどのものが
 一生懸命考えたからといって
 なんなの?
 その一生懸命と言うのも
 どれほどのものなの。
 一所懸命って
 どの程度の、一生懸命?
 そもそも一生懸命考えたからと言って
 だからどうした?
 一生懸命考えたからなどという
 経緯の努力の泣き落としでなく
 その答えの正しさ自体を
 明快に説明し、論ぜよ。)

と、その時、マスターは思っていた
にちがいない。

数十年して、私も
あの頃のマスターの年齢に近くなって
よく分かる。

でもマスターは、その時には既に
意地悪な感情の完全消滅に
遠い昔に成功していたので
そうでなければ
コトバカフェのマスターになんか
なれなかったろうし、
そんな意地悪な言い方は
しなかった。

マスターは、微笑みを浮かべていたけれど
強い口調で言った。

ほんのちょっぴりだけ
怖かったかな?

「一生懸命考えちゃダメだ。」

と言ったのだ。
ポツリとだけれど力強く。

私はビックリした。
そもそも、一生懸命考えろとも、考えるなとも、
それまで誰からもはっきり言われたわけではないけれど
それでも、「一生懸命考えちゃダメだ。」なんて
言われる、説教されるなんて予想だにしてなかったから。

マスターは続けた。

「人は悩む、判断に迷う。
 そんな時は、一生懸命考えちゃダメだ。

 時間をかければかけるほど
 エネルギーを意図的に十分に恒常的に補給し続ける
 システムが確立していない人間においては

 思考は毒だ。

 エネルギーは消耗され、自分という本体に
 エネルギーがなくなり弱くなり、すると人というものは
 上手に、意気地なしや臆病、見栄とかカッコつけ
 怠慢さと狡さ、自分本位や自分だけ、
 嫉妬心やコンプレックスまで
 正義とか家族愛だとか友愛だとか
 それが大人だとか、それが知性だとか、常識だとのたまう
 覆いを被らせられて、思考はどんどんリスクのない選択に
 苦労の無い、冒険の無い、自分が何一つ変わる必要ない選択に
 しらずしらずに引き込まれ陥れられていく。

 思考は怖い、魔物なのだよ。

 この人生を、その脳みそを持って生きていく限りは
 一番、注意しなさい。

 思考こそ、自分を地獄や不幸に陥れる
 この世でもっとも厄介な魔物なの
だよ。

 自分が変わらず、自分の弱いとことは
 弱いままで、欠けている部分は
 欠けたままで、困らないやり方、生き方
 生活の仕方を選択し、そのシナリオを
 構築してしまうのだよ。

 結果

 自分の人生をどんどん縮小しちゃって
 ちっちゃくなってしまう。

 ワクワク、キラキラのない人生をつくり
 その人生は、頑固でこじんまりとして
 小さく、あまり楽しくない依怙地な
 よく笑わない自分を、自然と知らぬ間に
 形成してしまう。

 思考によらず直感によること。
 思考など感情や直感を飾りつけたり
 理論武装させたりする
 建築素材でしかないのだよ。

 思考を自分の存在の核に、中軸においてはいけない。
 中軸、核にすべきものは、エネルギーセンターだ、
 いうなれば、太陽だ。

 自分で自分だと思っている自分を自分の中身のほぼ全体を
 自分の思考と考える立場においての自分なんてものは
 本当に取るに足りない、頼りない
 適当なものなのだよ。

 人は、結局、この人生で
 直感と詩しか、頼りに出来ないのだ。
  
 直感で生き、詩を生み出すこと、これが
 人生の実体だ。

 人生とは、生きるとは
 しあわせな人生とは、しあわせに生きるとは
 自分の出来る限りでいいんだ
 自分の出来る限りのステキな
 ステキな詩を書くという事なんだな。

 もしも、考え悩んだ末の結論を
 自ら感動しながらシビレながら
 ステキな一編の詩にできないのなら
 その選択は誤りだ。
 
 それはただ面倒なだけ
 それはただ臆病なだけ
 それはただ大変なだけ
 それはただ薄情なだけ
 それはただ怠惰なだけ
 それはただ卑怯なだけ
 それはただ憤怒なだけ

 それに正義とか家族愛だとか友愛だとか
 それが大人だとか、それが知性だとか、常識だとか
 もっとも色した風呂敷をかけて
 隠しているだけだ。

 まずは自分を、そして人をも
 感動させない詩にならない
 思索の結論など、即刻、破棄だ。

 感動の詩にならない思索の結論は
 自分をやがて苦しめていくだろう。
  
 しかし

 直感によって判断し選択し
 行動することと言われても難しい
 かもしれない。

 直感を働かせるための身体及び
 環境づくりをすることだ。

 直感とかそれに関連するアルファー波などの発生における
 最悪の環境は、しかめっらで、呼吸浅く
 夜及び深夜に一人で篭ってあれこれ自分の家、部屋で
 思索することだ。

 
 たとえば
 ジョギングしながら
 散歩しながら
 運動しながら考えるのだ。
 判断、選択すべき
 テーマに対して感じる如くに意識し意志を持続し、
 思いを馳せるのだ。

 もし自分で足りなく
 あなたが人間に恵まれているのなら
 悪意のない友人や家族や先輩や恋人や誰かと
 散歩しながら、ドライブしながら
 相手になってもらい、まとめてもらい
 カンセリングしてもらい
 結論を導き出すのもよい。

 可能ならば
 しかめっらでなく
 「悩んでいるんですよ。」と
 微笑みながら
 テーマに向い
 結論を導き出そう。
 あなたがさらに友人や人に
 恵まれているのなら
 2人、3人と語り
 会うのも良いだろう。

 いずれ、直感とかそれに関連する
 アルファー波などの発生における
 最悪の環境は、しかめっらで、呼吸浅く
 夜及び深夜に一人で自分の部屋に篭ってあれこれ
 思索することだ。

 静的環境ではなく
 物理環境においても、人間関係においても
 自分の身体環境においても
 動的シチュエーションで
 テーマと向き合い
 取り組め。

 考えるより
 感じることだ。
 
 
 誤解しないで欲しいが、ふざけているのでない
 出来ることなら
 「悩むなら出来るだけ楽しく悩めということだ。」

 思考は、そのままの自分
 過去の古い自分の部分部分を
 寄せ集めたり、順序を変えたり
 いじったりして
 自分を作る作業だ。

 直感は、現状も状況も
 条件も考慮せず
 ただ憧れの未来から逆算した
 キラキラ輝く新しい未来の自分の部品で
 自分と自分の人生を構築する作業だ。

 だから直感による選択、判断は
 大きく開放的に自分を開き
 その人の人生をも開いていく。」

マスターが、こう話終える頃には
お店は、満杯で、通路にも
イスを置いて、皆、マスターの
話を聞いていた。

マスターが熱を入れて話しだすと
どこからかいつの間にか
コトバカフェはお客で一杯に
なるのだった。

マスターから学んだ大切な事の
もっとも重要な事の一つ。

「大切な事は、大事な選択、決断は思索するな。」

という事だ。
 
 

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コメント

これ、いつ読んでもしびれます!

投稿: samusun | 2010年11月12日 (金) 23時35分

samusanさん

あ、ありがとうございます。

わたしも自分のブログを何度も見ます。

たまたま、自分というフィルターを通して
コトバになった宇宙からのメッセージ
だと思っているので、照れくさくは
ありません。

いいコトバを掬い取れるよう
毎日、フィルター掃除は
怠れません。

がんばります。

投稿: nakamura | 2010年11月16日 (火) 07時11分

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