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一枚のハガキ     その2

Hutarinootoko_img134_3 残念ながら、美しい女性でも
どうやら銀河鉄道009の
メーテルでもなかった。

そしてクマちゃんでもなければ
ボッシュでもない。

男性らしい人影が
二つ見えた。

大きな空と延々と広がる街の
パノラマの中で見るビルより
近づくごとに、そして着いて
階段を一段一段登るごとに
このビルが思った以上に
大きいことがわかった。

屋上もとても広くて
向こう端に立っている
二人のところまで遠く
姿は小さくて顔まで
よく見えない。

私は一歩一歩近づいて行った。

近づくごとに私は
なんだかドキドキするような
懐かしいような
せつないような
うれしいような
くすぐったいような
変な気分になった。

一歩ごとに二人の姿は
少しづつ大きくなり
それと共に顔も少しづつ
大きくなっていった。

そしてはっきりとその顔がわかり
二人と目が合ったかと思った瞬間
にゃりと照れ笑いの笑顔で
二人は「やぁ」とほぼ同時に
手をあげた。

バリトンとテノールの
世界で一番短い
美しい男性二部合唱だった。

いい響き具合だった。
2~3小節程度のメロディーを
聴いた気がした。

私もつられるように
右手を上げ
つられるように笑顔で
「やぁ」と言った。

ヒロシとチハルだった。

 

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