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イブの前日、随想。2011年12月23日

Kurisumasu_imgz270913280001明日はクリスマスということで
天は恒例にしたがって
街を雪景色で包んだ。

冷たい吹雪の街から
アトリエに戻り
パソコンの前の椅子に
座ろうとした時
ふと本棚の小さな
「ニーチェ詩集」が目に入り
手に取る。

ニーチェはいい。

やさしい言葉はいらない。

寒い冬の凍てつく空に
澄んで響き渡るこだまのような
ただただ上等な精神による
言葉の連射に身を置きたい。

可能ならこの冷たい冬の夜道を
雪降る中、ニーチェの詩を
読み口ずさみながら
街中を朝まで歩き続けたい。

きっと夜中に聖書を持った青年たちと
出くわし、彼らは私を数人で囲み
神への入門をあれやこれやと口どき、
天国行きの切符で誘惑するだろう。

私は「ツァラトゥストラはかく語りき」
を右手に持ち「神は死んだ」と言う。

彼らは顔を見合わせた。
それが動揺なのか、私への
一斉攻撃のタイミングを伺ったものなのか
分からなかったが、私に不安はなかった。

この冬の寒い雪降る真っ暗い
早朝未明の街中で愛を説き、
天国を信じなければ
生きていけない彼らは充分に
私には愛おしく充分な愛情を
持てた。

だから、私は、怯まず続けた。

「こここそ天国で『今』こそ永遠で
キミこそ、キミたちこそ
『神』だ」と私は言った。

しばし沈黙が起きた。

そしてしばらく沈黙は続いた。

彼らは、「ニーチェに入門」したいと
言う。

私は彼らの潔さと本当の強さに裏打ちされた
清さに驚き感動しまくし立てた。

「ニーチェは、勇気を持って変化しようとうする
その勇気と変化の中にこそ、いや
ニーチェとは勇気と変化そのものを言う。
既にあなたは、ニーチェの入門者どころか
このイブの日に、めでたく神と決別し
神そのものになり自分の人生と
この世界を手に入れニーチェとなった。」

そして、ボクらは側の自動販売機で
ジュージアの缶コーヒーを買って
乾杯をした。

「生まれ変わろう!
 今日は、これからの人生の
 最初の日。」

そして私は、自分自身には
こう言った。

ニーチェよ、私は仕事をする。
朝日に向かって宣言しよう。

私は仕事をする。

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