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二人の男の物語

昔、二人の男がおりました。

一人の男は
ここはおもしろくない
おもしろくない
興味深い人間がいない
いい人間がいないと
次々おもしろい街を求めて
旅を続けました。

もう一人の男は
最初の男が去った後に
その街に辿り着き
追いかけるようにまた
その街を去りました。

ただ、そのもう一人の男は
ここはおもしろい
興味深い人間
いい人で溢れているといい
自分もその街で
人々が喜びそうなパフォーマンスをし、
自分も少しでも良き人間になろうと
その街での日々を過ごしました。

そのように二人の男の旅は
延々と続きました。

しかし、最初の男は旅から旅
街から街へと、どこに行っても
楽しいところはない、楽しくないと
とうとうある街で病に
臥してしまい、三ッ目の秋を
迎える頃、天に召されてしまいました。

一方、後の男は
どこに行っても楽しい楽しいと
どこからも誰からも何時かなる時にも
楽しさを見つけ、感じ
自らもそこを楽しくするため
身を砕き心を尽くし街から街と
旅を続けるうち
その楽しいという思いが
細胞一つ一つに蓄積され溢れ
体中の細胞が楽しさで溢れて
溢れて一杯になって張り裂けそうになった時
細胞内のミトコンドリアが突然変異を遂げ、
細胞が不老不死の仕組みを作り
もう600年以上も街から街へと
旅を続けている。

あなたや私のところも
いつか訪れるかもしれない。

その時、

「あなたも楽しそうだな。

 あれ、あんた細胞が
 人間じゃないな。

 生きてて楽しくてたまんないべ。」

と言われる人間になっていたいな。

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